被曝量の再考
郡山市、高速道路が開通し磐越西線から石油も送ってきてくれるようになった。
相変わらず長蛇の列ができてなかなか給油できないガソリンの流通や、早々に閉まってしまって会社から帰ると開いていないスーパーが通常営業になるのもあと一息だろうか。
でも節電が必要だったり、福島県の東側は依然として深刻な物資不足だったり。
休日も営業してくれるならスーパーが夜も開くようになるより依然物が届かないところに届けて夜は節電している方がいいんだろうな。
さて、あいも変わらず被曝量に頭を悩ませる毎日。
これはひとえに新学期を迎えるにあたり子供を郡山で通学させてよいのかということがあるから。
知り合いでも多くの人が実家が県外にある人は子供たちを帰らせていて単身赴任状態。
そして皆さん頭を悩ませていて日々気持ちが揺れ動いているみたい。
全体のことは自治体にお任せするとしてもう一度頭を整理してみよう。
(あくまでもど素人の個人的な見解であるが。)
・被曝量はどこまで許容できるのか?
国際放射線防護委員会の値を参考にすると100msV/5year
単純に1年あたりにすると20msV/year
この値は過去の実績を踏まえ、いろいろな人のケースを考えた一般市民向けということらしいので年間20ミリシーベルトを我が家の基準とすることにしよう。
国際放射線防護委員会からの福島の原発事故に対するメッセージ
http://www.icrp.org/docs/Fukushima%20Nuclear%20Power%20Plant%20Accident.pdf
国際放射線防護委員会(ICRP)2007年勧告(Pub.103)の国内制度等への取入れに係る審議状況について
-中間報告-(全部読んで理解するのはしんどい。。)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/housha/sonota/__icsFiles/afieldfile/2010/02/16/1290219_001.pdf
・郡山市の今の被曝量は?
発表されている放射線量の値は外部被曝でおおむね4μsV/h、これを吸い込むと内部被曝で4μsV/h、水や食品が汚染されて来ているが基準値を超えると流通しないとして1μsV/h→4+4+1=9μsV/h。
家の中に半日いる間は被曝量が半分としてその時間は2+2+1=5μsV/h。
(起きている間は子供が出入りして外と同じ、夏場に換気なしも厳しい、外で汚れた手でその辺を汚染する…ほんとは半分にするものはばかられる。。。)
とすると一日当たりの被曝量は9*12+5*12=168マイクロシーベルト。
20ミリシーベルトに達するのは20000/168≒119日≒4カ月。
(100ミリシーベルトが年間被曝限度の最大値らしいので今の郡山市の状態で僕が一年生活すると約60msVで一応下回るレベル。)
・今後の予測は?
政府・東電から将来に対する見通しが全く出てこないので基本的には見通しが立たない。
ではどう考えるか。。。
郡山市の放射線量が1μsV以下になれば被曝量が一日当たり60μsV(水・食べ物の汚染は継続的影響があるとして)。
この場合は333日で20msVに到達。一年に一月足りない。。
同様に考えていくと郡山市の放射線量が0.8μsV以下であれば継続的に放射線が出続けていても年間20msV/hを超えないレベル。
原発からの放射線漏れがなくなるのはいつか?というのはわからない。
冷温停止するのに最低一ヶ月という話も出ているようだが、止まっていた4号機からも漏れているぐらいなので停止したからといって放射能が漏れなくなるわけではない。
ある程度漏れてくる放射線量が収まらない限り今漏れているところを塞ぐ措置もできないのだろうし、相変わらず水蒸気が上がったり、作業員の方が汚染水で被曝して入院しているような状態では事態が悪化する恐れも残ったまま。
ということは具体的な見通しがでるまでは0.8μsV/hの地域で子供は生活しないといけないことになるが。
放射能についてはだいぶ整理がついてきたが、他にもいろいろあるのであとは嫁さんと相談ですな。
※以下はおまけ。。。
・ICRPの放射線防護の基本原則を読んで
・正当化の原則
放射線被ばくの状況を変化させるようなあらゆる決定は、害よりも便益が大となるべきである。
→ 個人で考えると自分の収入確保(会社の企業活動の継続と個人や企業の活動を通した社会への貢献:製品の供給、納税、地元での消費等)と自分や家族への健康被害を天秤にかけてどちらが大きいかということかな。
・防護の最適化の原則
被ばくの生じる可能性、被ばくする人の数及び彼らの個人線量の大きさは、すべての経済的及び社会的要因を考慮に入れながら、合理的に達成できる限り低く保つべきである。
→ なるべく空気の出入りのない室内で生活する、放射線が検出されたものをなるべく口に入れない、外出時はマスクをするなど個人でできる予防をしましょうということかな。
・線量限度の適用の原則
患者の医療被ばく以外の、計画被ばく状況における規制された線源のいかなる個人の総線量は、委員会が特定する適切な限度を超えるべきではない。
→ 胃の検診やCTの値を今の被災による放射線量と比較するのがすでにナンセンス。最初から医療被曝はべつものと考えているのだから。そして、被曝量が基準値を超えないように原発周辺住民に対して措置が取られなければならないはず。でもあーだ、こーだと基準値自体が適当に変わるし、被曝量が管理できてないわで限度を超えているかどうかがノーコントロール。
結局自分たちで基準を決め、それなりに報告されている放射線量から自分の被曝量が限度を超えているかどうかを計算し、超える前に逃げるしかないということか。でもど素人が勝手に考えたって間違ってたことも大いにあるわけで、それもどうかって思う。
原発以外にも被災の対策で手いっぱいの福島県を批判するようで申し訳ないが、国は先の見通しを出さない上に、今の状況のままであれば年間の被曝量が100msV(緊急被曝状態でも超えてはいけないと国際放射線防護委員会が明記している値)を超える状況を放置しているのである。それにもかかわらず国のいうことをただ聞いているだけでは住民の安全を守る自治体の役目を果たせていないのではないか。責任者が国なので国にちゃんとしてもらわないといけないのだが、県にももうちょっとしっかりした対応をしてもらいたい。
安全な水や食品を供給する、各上水道の放射線量の測定結果を毎日県民に示すといった今すぐ必要なことから、農産物の被害をどう対応していくのか、どういう状態になったら再び土地を使えるのか、今避難圏内になっている地域が再び使えるようになるのはいつになるのか(どうなれば使えるのか)、といった見通しを作り、国に対して必要なことを具体的に要求していってもらわないと、ただ早く事態を収束してくれと言うだけでは、県民の声はいつまでたっても届かないだろう。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント